現在の地震予知法を科学的な根拠が期待される手法として大別すると、電磁気法、地表変動法、地震来歴法、化学法等に分類されます。

電磁気法には前述の<串田法>や<早川法>の他に、地震の極直前に大気中の電子密度の増大を観測する<日置(へき)法>(北海道大学)や、2地点の電位差を観測する<上田法>があります。かつては、VAN法が注目されましたが日本の高湿度の環境には向かないようです。
地表変動法には兵庫県南部地震以後に、各地に設置されてきたGNSSの測位観測点の観測データが充実してきたことから発達した手法で、地表変位の特徴を分析する地震科学探査機構(JESEA,民間)の<村井法>、変位(速度)から地表ひずみ(速度)の分布を解析する<西村法>(中期予測、京都大学)があります。

地震来歴法は起きた地震独自の発生状況(随伴地震を除く)から、活性度や静穏度を解析するもので、地図上にその分布を表すと、気象の気圧配置図に似ることから、その図を「地下天気図」と名付けられました。その解析を行っているのは地下気象研究所(DuMA,民間)で、長尾年恭先生が主宰されています。この手法は<RTM法>と呼ばれます。化学法の代表は大気中のラドンの観測です。他には大気中のイオンやオゾン(エアロゾル)の観測や、水位(及び水温・水量)とその場所特有の含有物質(ラジューム等)の観測があります。

ここで述べたいずれの方法も、地震直前予知(事前防災)の視点で見る場合、この前兆現象があるので、地震が必ず起きるというものではありません。また逆に、地震の前に必ずこの前兆現象が起きるものでも、事前防災に役立つという物にはなっていません。それぞれの長所を活かし、短所を補う利用法が望まれます。

阪神・淡路大震災の記録

今は復興したとはいえ、あの大震災を忘れてはなりません。
それはRISCOの原点です。