Radio-noise Infomation System by Citizen's Observation

阪神・淡路大震災では、電磁波による地震の前兆現象として、ラジオにノイズが入った貴重な経験や記録が残されています。地震の予知は正確にはできないとされており、前兆現象の体験を地震の事前防災に生かす試みは、現在、行われていないようです。こうした現状ですが、少数ながら折角の貴重な経験を、将来の地震防災に少しでも役立てられないかと考えました。

それには一人ではできませんが、ラジオのノイズはどこでも誰でも観測でき、現在は通信環境が格段に進歩しているので、ノイズの状況を多数の方々に、インターネットを利用して、簡単に入力してもらえばよいことに気付きました。そして、集めたデータによるノイズ強度の分布図を公開・共有すれば、皆様の自主的判断で事前避難等ができる可能性が生まれることになります。

最近の地震ではラジオのノイズが前兆として報告されない場合もあり、地震発生原因との関連性がある場合と、無い場合があります。さらに、ラジオノイズに関するデータが多く集まっても、地震が起きない場合もありえます。しかし、それはそれで一つの成果(地震発生機構を新たに考察する契機)になります。また、この市民運動に参加していただけることは、少なくとも防災意識の日頃からの向上の一助となると思い、このプロジェクトを立ち上げることにしました。

ラジオノイズの状況は、どなたにも簡単に入力できるようにWebアプリを提供します。それを、RISCOラジオノイズレポートと名付けます。そして、集まったデータは、無料の会員登録をしていただければ、データを見ることができるようにいたします。未定の震央に対して、観測に参加される方の場所の分布は偏らないことが望まれます。

まずは、多くの皆様にこの運動にご参加いただき、さらに関心のある方には会員となって事前防災の話題等に、意見や経験の交換が活発に展開されて、このシステムの弱点を徐々に改善しつつ、役立つものになることを祈念いたします。

2025年8月
前原 博